2012年5月23日水曜日

研究費の獲得と運用

5月も後半になりました。前回の投稿から少し時間が経っています。
4月に応募していた科学研究補助金の採択通知を頂きました。投資の意味を持つ科学研究補助金、限られた予算の中で面白い成果を出せるように進めていきたいと思います。

新たな環境下での研究費獲得には、多くの先生方や事務方のご協力がありました。研究費申請は大学評価の指標としても利用されており、全国の大学で研究費申請を積極的に行っています。おそらく、科学研究補助金は個人の研究テーマと同様に組織体としてのサポートの両輪体制で取り組んでいくことが今後さらに重要性が増すと感じています。また現在の申請は、研究倫理や研究体制など明確かつ具体的に記入する必要があります。その意味でも、研究所の倫理委員会の設置など研究所のサポートはとても大きな力となりました。

しかし、、、研究費を獲得しても実は、スタートラインに立っただけなのです。獲得した研究費をいかに上手に「運用」していくかが求められます。

京セラ名誉会長の稲森和夫氏の著書「実学ー経営と会計」の中で、「売り上げ最大に、経費最小に」が経営の原点であると述べています。研究分野に視点を変えてみると、限られた研究費の枠内で行うことから、「最小の投資で最大の研究成果を出す」ことこそが、研究費を運用する上で重要なことかもしれません。また、アメーバー経営として知られる共同経営体としての体制を運用するには、「経営哲学」が重要であると述べられています。

組織がもつ哲学は様々だと思いますが、どの組織体も理念やその存在意義を共通理解しているところはうまくその組織が「運用」されているのかもしれません。

研究環境を整え、少しずつ進めて行きたいと思います。