2012年11月30日金曜日

基礎研究の現場

もう今年もあと1ヶ月となりましたが、研究環境が少しづつですが整ってきました。
これも多くの先生方や科学研究補助金のサポートがあってのことだと改めて感じます。
また、こういった基礎研究の内容を授業等で伝えるのはまだまだ不十分だと身にしみて感じていますが、今はこの環境を活かしていくことが重要だと思っています。

先日、久しぶりにホルモン測定を行いました。実験台に向かってピペットを握る感覚を忘れかけていましたが、、、無事に測定することが出来ました。生化学の実験は色々な行程があり、一日中実験室にこもって作業することも多々あります。スポーツにおいても、朝から晩まで選手や指導者がそのスポーツ現場でトレーニングをしていますが、大きな意味ではこの実験室での実験もトレーニングと同じ様に感じます。

これからは、この研究環境を通して研究成果を発信していくことと同時に、人や組織との交流をしていくことが自分にとっても組織にとっても重要だと思います。




2012年11月17日土曜日

人間の直感とサイエンス

11月も中盤なり、前回の更新から少し時間が経ってしまいました。

この間、第5回社会体育研究所公開シンポジウム2012ースポーツレガシーシリーズ Vol.5 「スポーツの力を考える~スポーツを通じた社会開発~」が開かれ、レスリング五輪メダリスト、政治家、社会学者、大学教員、指導者、学生と様々な立場の人が「スポーツ」をキーワードにディスカッションする機会があったことはとても重要な意味をもつ場であったと思います。一方、第23回日本臨床スポーツ医学会学術集会に参加し、そこでは、医者、理学療法士、トレーナー、スポーツ科学者、などここにも様々な立場の人とスポーツ医学をキーワドにした情報を共有する場がありました。

小宮山宏著「課題先進国」日本の中で、「サイエンスの細分化は、サイエンスがサイエンスである限り不可避なことである。だから、それを逆に統合化しないと、サイエンスが人間の直感とか人間にとっての価値と離れてしまう」と述べられています。

トップアスリートの言葉を聞いて、その意味やその感覚を感じることは、基礎研究をする者にとっては一見真逆の立ち位置にいるように感じますが、シンポジウムや学会を通して様々な立場の人の声を聞くことは研究の方向性を決める上で重要な視点であると改めて感じます。