2011年12月27日火曜日

2011年

2011年。個人的にも社会的にも大きな転換期でしたし、原点のような気がします。2012年はこの原点から変化していくことが目標です(写真;宮城県岩沼市二の倉海岸)。






いかに生きるべきか

阿部謹也著「大学論」の中で、身体と教養について述べられています。
「12世紀のサン・ヴィクトールのフーゴーは、『いかに生きるべきか』という問いに対して哲学こそその答えを与えるものとし、神学、数学、音楽、天文学、商学、経済学、財政学、家政学、医学、農学、狩猟額、手工業、娯楽、スポーツ、演劇などを挙げている。その中にスポーツが入っていることに注目しなければならない」と述べられています。

『いかに生きるべきか』という問いに対して、スポーツが存在しているということです。体育の世界に身を置くものとして、もう一度、体育、運動、スポーツとは何かを考えさせてくれました。これまで、哲学や社会学的視点からスポーツについて考えたことはあまりありませんでしたが、大学での教養体育、その一方、運動効果を分子生物学的手法を用いて研究する中で、その大きな目標(達成感)については明らかとした答えがありませんでした。
実は、『いかに生きるべきか』という問いに対して求め続けることが共通する目標なのかもしれません。

2011年12月5日月曜日

創発について考える

MITメディアラボ所長の伊藤穣一さんのインタビュー記事「創発する民主主義;現場からの発信で新たな政治を創造,ネットが後押し」を読みました.(朝日新聞,2011年9月3日)

記事の中では,「創発」とは「ボトムアップで思いがけない高度な秩序が生まれること,例えば,大都市でも,トップダウンの都市計画より住民の相互作用から生み出された街並の方がうまくいく」と述べています.さらに,「企業を見ていても,イノベーションとか新しいものはほとんど現場とか端っこから来る.問題を解決るする知恵や情報やアイデアは思わぬところにある.それをうまく集めて,かたちにしていけば,政治家にはできないような結果をだせる.ネットとかソーシャルメディアは,その過程をサポートする強力な道具です」とコメントしています.

スポーツの場面においても,「創発」という視点はともて面白い視点だと思います.スポーツ科学に関する情報についても現場の視点で何が有効かを考えることが,新たな試みを生み出す可能性があります.ITやソーシャルメディアをツールとして用い、草の根的発想からそれぞれの目的に応じた新たなスポーツ支援策や動機づけなどのアプローチを見出すことが出来れば面白いと思います.