2011年8月29日月曜日

日本運動生理学会大会in徳島

8月25日から26日まで第19回日本運動生理学会大会に参加してきました。
徳島は高校3年の時、国体が開催されレスリング競技で参加した思い出の土地でもあります。

運動生理学分野も幅が広く、筋生理、内分泌、呼吸循環器、環境等様々な研究発表がありました。
自分は筋生理のセッションで前後の先生方の発表はとても勉強になりました。
発表の際には、いくつか質問をして頂いて、今後の研究の参考になるご指摘を頂きました。

今回の発表はポスドク時代の仕事で、性ホルモン合成酵素の一つであるsrd5a1という分子に着目して、srd5a1発現ベクターの作製、骨格筋における機能評価をした内容です。発表は8分と短いですが、発表のメインであるsrd5a1発現ベクターの作製にようした期間は1年あまりです。ポスドク最初の一年間はこのベクター作製に費やしていました。作製には何度も失敗しましたが、ベクター作製が完成した時に先生から、おめでとうと言われたことが懐かしく思い出されます。

また、研究奨励賞を頂くことができました。これまでレスリングしかしてこなかった小生に、研究の楽しさや、研究の基礎、研究の奥深さを教えて頂いた先輩や先生方のおかげだと思っています。

学会長の講演では、今でも最新の研究論文をリサーチすることが楽しみであると言っておられました。
スポーツの原点は、楽しいことであり、その大前提は努力することです。
そう考えると、研究も楽しいと思えること(言えること)のその裏には、相当の努力があるのかもしれません。

スポーツを色々な視点から考え、研究思考をさら深化させていきたい。



2011年8月9日火曜日

見えないものが見えてくる

スポーツ基本法が成立し、すべての人々がスポーツをする権利が明記された。
障害のある人を運動指導する分野の一つにリハビリテーション体育というものがあります。
その養成校にて、短期の集中授業で関わらせて頂いていますが、その時した先生との会話です。

視覚障害がある方の運動・スポーツにおいて、その指導法を学ぶために、ブラインドにした状態で運動を経験する授業があるそうです。視覚情報がない状態で運動することの難しさ、あるいは運動を指導する難しさを体感するとのことでした。

話しの中で、このような体験授業は、視点を変えて(ブラインドした状態)運動をするとその運動への捉え方として「見えないものが見えてくる」というのです。

オリンピック、パラリンピックも同じ方向性に向かうと思いますが、スポーツ環境、指導者、スポーツ医科学情報などまだまだ現状では格差は大きいと思います。同じ情報でも視点を変えることで新たな効果をもたらすことがあります。

オリンピズムの中で、スポーツの普及の視点からオリンピックの価値は、「100名の者がその肉体を鍛えるには,50名がスポーツをする必要がある.50名がスポーツをするには,20名が専門家する必要がある.20名が専門化するには,5名が優れた技能の持ち主であることが必要である」

先日の女子サッサーのワールドカップ優勝後、女性スポーツの報道や女性スポーツの環境整備に予算が追加されたとの報道がありました。すなわち、トップスポーツの活躍は色々な意味で大きな影響をもつということです。

スポーツ医科学情報も別な視点からアプローチすることで、新しいサポートの型が見えてくるかもしれません。








2011年8月6日土曜日

日本は必要ですか?

先日、恩師と会う機会があり、東京オリンピック招致について話しました。
以前のブログで、大学生に対して、2020年東京オリンピック招致についてどう思うかと質問し、
賛成3割、反対7割であると報告しました。

そんな話しをした中で、今度、「日本は必要ですか?」って聞いてみたら。???
こう言われた時、久々にパラダイムシフトが起こりました。先生はいつも自分の視点を変えてくれる存在です。

これまで、オリンピック招致と東京との視点で自分は考えていましたが、今はうまく表現することは出来ませんが、世界にとって「日本」って何だろう?日本のプレゼンスは何で表現できるのか?オリンピックは日本の存在や価値を示すことができるチャンス?これは、ただ単にスポーツの大会を招致することだけではないのかも知れません。

授業では「スポーツ文化論」を担当しています。
授業を通して、日本にとってスポーツはどんな意味・価値があるのだろうか?スポーツ文化は成熟しているのか?難しい課題ですが、おそらくこれからの東京招致活動をみると色々なメッセージが入っているのだろうと思います。

色々な視点を吸収しなければならない。