9月に入りましたが、蒸し暑い日が続いています。
今週は、大学の休みということもあり、後期授業と学会シンポジウムのスライド作成の準備におわれています。
スライド作成をする中で感じたことは、同じテーマでも、伝えたい相手が異なる学会と授業では構成が全く異なる様に思えました。8月には、山形のタレント発掘事業の一環で、子ども達を対象にスポーツ科学の講義も行いましたが、ここでも、子ども達へ伝えるスライド構成の導入、展開、結語へのストーリーも対象者に応じて考えなければならないことを改めて感じました。
学会発表のスライドをそのまま授業で使用しても、伝えたい学生には何も伝わりませんし、とくにスポーツ科学を専門としない対象者にどう分かりやすく伝えるか、非常に難しいことですが、一方でとてもやりがいのあることだと思っています。イギリスの動物行動学者リチャード・ドーキンスの著「利己的な遺伝子」では、分子生物学的な用語をあまり使用せずに分かりやすく、一般者向けに執筆されており、専門化と一般化の両方の視点が重要なのかもしれません。
学会ではより新しい知見を発表し、知的好奇心をかき立てるようなプレゼンが求められますし、専門家としての厳しい質問も飛び交います。トップアスリートの活躍が生涯スポーツへ大きな影響を与えると同様に、スポーツ科学研究をする立場としても、創造性のある研究を国内外に発表しつづけ、ディスカッションしていくことが求められます。このことは、結果として運動を専門としない人たちへの刺激としてフィードバックされると思いますし、「研究」はその対象となる研究分野が成熟し、一般化していくために重要な役割を担っているのかもしれません。
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