2013年12月14日土曜日

学ぶことと教えること

同じ情報でも伝える相手によってその伝わり方は全然違います。
小学生、中学生、高校生、大学生、アスリート、
高齢者、性差、競技レベルなど、伝える対象を考えて、
プレゼンしなければならないと、最近強く実感します。

ジュニア期の競技スポーツにおいて、スポーツ科学はどのような
アプローチが求めらるているのか。対象者は何を求めているのか。

最近、高齢者への公開講座やジュニアアスリートへの講義を通して、
学ぶことと教えることの大切さを実感しています。

同じ内容を伝えるのでも、全然違う反応をえることが多々あります。
伝える側としてまだまだ学び続ける必要があるのだと思います。

色々な組織や場で教育プログラムが行われていますが、
伝えること、学ぶことの適時性について考えていきたいと思います。

2013年12月4日水曜日

変化し続けていくこと

12月に入り、今年もあとわずかとなりました。
しかし、12月は色々なことが慌ただしくなる時期でもあります。
年度末に向かってこなす感覚が出てきますが、
その時期だからこそ、物事の本質を考えて進めていこうと思います。

最近、自分が経験してきた日本学術振興会特別研究員制度の改善に関する情報がありました。3年前と比べて、任期の延長、研究費申請条件の緩和、受け入れ先研究機関の条件など
制度が少しずつ変化していました。

社会状況が刻々と変化する時代において、制度や組織を維持していくためには、
変化し続けていかなければならないと感じました。

一度、組織に定着してしまうと安定を求めがちですが、色々な場面で
変化し続けていくことが、その分野や組織の継続性に求めらることだと実感します。


2013年11月19日火曜日

オープンサイエンス

オープンサイエンス革命、マイケル・ニールセン著では、これからのサイエンス情報の活用の方向性を事例を交えて紹介しています。エビデンスは誰のものか?世界中の知を掘り起こすツールとして、無料のオンラインジャーナルやサイエンスブログについて述べられています。サイエンス(エビデンス)がオープン化される中、それを読み解くには読み解くためのトレーニングが必要になるのかもしれません。

分野限らず研究ラボでは、文献発表の抄読会が行われます。原著論文を訳して、加工、発表することは古典的な作業ですが、今思うと大事なプロセスなのかもしれません。企業が求める人材育成を考えると古典的な作業は古い感覚なのかもしれませんが、そこに時間を費やすことには大きな価値があると感じます。

情報が爆発化している今、よりその情報を読み解き活用するためのリテラシー教育が必要になってくると感じます。

常に学び続けながら、今後の方向性を模索し続けたいと思います。

2013年10月13日日曜日

研究費と人材

科学研究費補助金、採択2年目。
初年度は研究環境の整備に費やしましたが、
今年は実験する時間をいかに作ることができるかが目標です。
夏休みには1週間という短い期間でしたが研究に集中できる時間を得ました。
しかし、10月に入るとなかなかまとまった時間が取れないのが現状です。

研究費の用途には、物品、旅費、人件費などカテゴリがあります。
研究環境が整いつつある今、これから研究プロジェクトを進めていくためには、「人」の重要性を強く感じています。

自分の経験からも、「研究員」という人への予算によって
幾つか雇用され、そこでの経験によって育てられたことは大きな財産でした。

マネージメントの時代と言われる今、人に研究費を投資的視点で運用
することは数年後、その分野の成長に大きく貢献するかもしれません。
 そのためにも、研究思考を高めることを常に考えて行きたいと思います。

 

2013年9月23日月曜日

日本体力医学会2013


2013年9月21-23日、第68回日本体力医学会開催。
発表者全員が口頭発表。データに基づいて行われるデスカッション、純粋に勉強になりますし、刺激を受けます。午後からは学会会場を後にして大学での後期授業初日。研究と教育、つながっているのかもしれません。

発表演題:筋萎縮抵抗性における筋局所活性型アンドロゲンの役割

【背景】骨格筋萎縮は、加齢、慢性疾患、不活動等に伴う骨格筋タンパク合成と分解の不均衡によって生じる。活性型アンドロゲンであるジヒドロテストステロン(DHT)は、性ホルモン合成酵素の5alpha-reductasesrd5a1)によりテストステロンから合成される。近年、骨格筋局所においてアンドロゲンを自己産生する可能性が示されている。しかしながら、骨格筋局におけるsrd5a1を介した活性型アンドロゲン産生が筋萎縮抵抗性に与える影響については明らかでない。
【目的】そこで本研究では骨格筋局所におけるsrd5a1を介した活性型アンドロゲン産生が筋萎縮に及ぼす影響について検討した。
【方法】骨格筋局所アンドロゲン産生の筋萎縮へ与える影響を検討するために、srd5a1強制発現ベクターを作製した。Srd5a1強制発現ベクターは、マウス骨格筋(前脛骨筋)へエレクトロポレーション法により導入した。その後マウス下肢に対してギプス固定(7日間)による筋萎縮を誘導した。ギプス固定7日後、骨格筋(前脛骨筋)を摘出し、筋重量、筋横断面積、筋萎縮関連遺伝子MAFbx/atrogin-1およびMuRF1の遺伝子発現を評価した。
【結果】ギプス固定による筋萎縮誘導により筋重量及び筋横断面積がみられたが、srd5a1導入脚では、ギプス固定に伴う筋重量及び筋横断面積の減少がコントロール脚と比べ抑制された。また、srd5a1導入脚ではMAFbx/atrogin-1およびMuRF1遺伝子発現もコントロール脚に比べ抑制された。【結語】骨格筋局所におけるsrd5a1を介した活性型アンドロゲン産生は、筋萎縮の抑制に関与していることが明らかとなった。

2013年9月15日日曜日

あるがままに打つ

9月8日から14日まで大学の集中授業ゴルフ実習がありました。
ゴルフを通してマナーやエチケット、フェアープレーについて学ぶことができます。
2020年東京オリンピック・パラリンピック開催決定。スポーツを専門としない人達にも
スポーツを体験することで、オリンピック・パラリンピックの価値を共有する一つのキッカケになるのかもしれません。


2013年8月29日木曜日

手足を動かす

この一週間、共同研究先で研究中心の日々を送りました。
なかなかまとまった期間が無かったので、貴重な時間でした。

基礎研究の現場は実験室、一つの実験をするにも数日の準備を要し、
結果が出ればまた次の実験に入り、失敗と向き合う日々がほとんどです。
その度にその理由を考え、模索し、検討してみる。思う通りにいかないのが研究なのかもしれません。

ただ、実験ベンチで手足を動かして実験していると、不思議と色々と研究案が浮かんできます。
研究であれスポーツであれ、その「現場」で手足を動かすことの大切さを実感しました。
ディスクワークだけでは新しい思考や発想が生まれにくいのかもしれません。

9月から、学内の仕事や授業が色々と始まります。
一つ一つ大切に向き合おうと思います。



2013年8月12日月曜日

ボランティアとスポーツ

ボランティア、東日本大震災以降、色々なボランティア活動が行われています。
震災当日は、故郷でも公園にテントを貼りボランティア活動をする方々がたくさんいました。先日、大学の活動で石巻へボランティア活動に行かせて頂きました。瓦礫撤去から、今後どのようなボランティア活動が求められているのか、考えさせられました。

スポーツ自体もそもそもボランティアなのかもしれませんが、以前、視覚障害のマラソン大会で視覚障害者ランナーへの伴走者のボランティアと接する機会がありました。スタートからゴールまで伴走しゴール直後に保護者へ引き渡しした後、そのボランティアはさっとその場を後にしました。

ボランティアの目的、その目的を遂行するための準備、実行。自前でテントを貼ってボランティアする人、伴走者としてサポートをする人、本質はそこにあるのかもしれません。

姉妹校の石巻専修大学は震災復興の拠点として活用されていました。広大なグランドで多くのボランティアが活動していました。

震災から3年目、そのグランドではスポーツをたのしむ選手たちがいました。秋にはツールド東北というイベントが開催されます。

スポーツとボランティア、これからの可能性を模索したい。



2013年7月10日水曜日

小さなこと

7月に入り暑い日が続いています。
大学の授業もあと僅か、色々な事で、準備、実行、再考、の繰り返しですが、どの世界でも同じことなのかもしれません。ある先生との会話で、「地球規模の視点でみると、大きなことも、小さなこととして、みることができる」。時にはそういう感覚で物事を捉えることは重要なことかもしれません。

2013年6月30日日曜日

ECSS in バルセロナ part2

今日は、ECSSでの口頭発表。
2分間という短い時間でしたが、語学力以前にプレゼン方法について色々と学ぶことがありました。また2分間で研究の内容(伝えたいこと)を発表することは、とても難しいことだと改めて感じました。 国際学会だけに自分の考えを相手に伝えることの大切さを感じます。今日の経験を次につなげるのも自分次第、経験を活かす努力をしていきたい。

今回の学会会場はバルセロナオリンピックが開催された場所で行われました。
カタリューニャの体育研究所は、レスリング会場だったと聞きました。

最近では、学会はより細分化され、専門化されていますが、ECSSでは、スポーツ科学、健康科学、スポーツ医学、コーチング、アダプテッドスポーツ、教育学、体力測定評価、バイオメカニクス、分子生物学、生理学など、幅広い分野で発表が行われています。

オリンピックの開催地で行われるスポーツ科学会議、 オリンピックのレガシーがここにもあるように感じました。








2013年6月25日火曜日

ECSS in バルセロナ

成田空港へ向かうバスの中、今日から
バルセロナで開催されるヨーロッパスポーツ科学学会に行きます。
久しぶりの国際学会の発表、色々な情報と出会えればなと思います。

学会のテーマや発表演題をみると、今、注目されているテーマや
これからの方向性を示唆するような課題を感じるとれることがあります。
今回のカンファレンスでは、スポーツサイエンス分野において、

新しい考え方、
新しい物質、
新しい方法、

色々な視点でみていきたいと思います。
また研究の分野では、研究のトレンドがありますが、そこには社会的なニーズと関連しているように思います。

日常の生活から少し離れて、研究思考の時間に出来ればと思います。

2013年6月17日月曜日

教師学

大学教員3年目、学び教える/伝えることの
難しさを実感する毎日です。
色々な教師学があり、それが大学で学ぶことの
価値の一つなのかもしれません。

スポーツの大前提に「最善の努力」があります。
前提条件に時間をついやすばかりですが、
迎合することなく、ただただ前に進むことだけ今は考えようと思います。

大学院時代の恩師と久々に会い、改めて思うことができました。





2013年6月12日水曜日

やる価値があることは、失敗する価値がある

以前、何かの本で印象に残っている言葉です。

2013年5月31日金曜日

ルール

スポーツにはルールがあります。
ルールはどの様な視点から作られ、変更されていくのか。

公平性、統一性、試合展開の促進、メディア向けの視点、観客の視点、
色々な視点があって今後も変化し続けて行くのかもしれません。

競技レベルが高くなるほど、試合展開は硬直し、緊迫感があふれた
ものになることがあります。その緊迫感こそがスポーツの醍醐味の一つですが、
そこにはルールを超えたその競技の本質があるのかもしれません。

本質を捉えつつ、
時代に応じたルールに適応していく、
スポーツに限らず、求められることなのかもしれません。



2013年5月11日土曜日

トランスレーショナルリサーチ的視点

スポーツの事業には、色々な視点があり、その目的に応じて予算も異なります。
またその目的に応じて予算の用途も異なります。

「トランスレーショナルリサーチ」、科学のエビデンスをその現場に活かす(応用する)ことは、現在その必要性は分野問わず求められています。事業と研究、両輪で進めていくことがその目的を達成するために必要な視点になると思います。

スポーツにとってエビデンスをどう活用するのか?
スポーツを事業化する中で、エビデンスをどう位置づけていくのか?

MITでは、学部の枠に関係なく、生物学を履修するカリキュラムがあります。そこには、
色々な投資的、戦略的視点を持っていることがその専門著書の中で示されています。

研究思考を戦略的に取り入れることは、今後の可能性を引き出す上で重要な視点になるのかもしれません。


2013年5月5日日曜日

エフォート

エフォート

科学研究費の申請書では、その研究テーマの遂行に際してエフォートの
記入が求められています。

ある勉強会で、海外で科学サポートを長年経験された方のレクチャーを聞く機会がありました。その中でスポーツ科学者が現場のコーチや選手に
受け入れてもらうためには、常に現場に出て、常に準備しておくことが
大切なことと示唆されていました。また、小さなアプローチの積み重ねが大きな差を生む
とうい示唆は経験から得られた面白い視点でした。つまり、科学サポートのカギは、エフォートの割合も影響しているのかもしれません。


エフォートは何によって決定されているのか?
その答えは人によって異なり、そのテーマや課題に対する興味、熱意、ポジション、経験、立ち位置、ボランティア、など色々な要因が影響して、そのテーマに対するエフォートが決定されているのかもしれません。が、、今は、エフォートは考えずどんなことも全力で進むことが必要だと感じています。

2013年4月19日金曜日

好奇心と下調べ

4月に入り色々なことが動き始めています。

研究も様々で、
個人研究、企業との研究、組織として行う研究、
プロジェクト型研究、卒業研究、またスポーツ現場の指導者も実際の指導が研究なのかもしれません。

研究を進めていく中で最初にぶつかる問題が研究テーマの設定です。

それは、体験や経験から感じ、興味をいだくことが大切なことですし、
さらにテーマに関する先行研究を読み込むことも大事なプロセスの一つだと思います。

情報化の発展ですぐに情報が検索、取得できますが、
原著論文にあたることによって、著者がその研究に費やした時間や熱意を感じることがあります。

好奇心と下調べを頭に置いて進んで行きたいと思います。



2013年4月12日金曜日

知的自由とやる気

授業ガイダンス週間も終わり、授業も本格的にスタートしました。

ゼミも始まり、こじんまりとしたゼミですが、
それぞれスポーツのバックグラウンドや興味が違っていて面白い仲間だと思いますし、
お互いが刺激を受ける場になればと思っています。

ある研究著書の中で、快適なラボを運営するキーワードとして、 「知的自由とやる気」が挙げられています。

これまでは研究費の獲得と実験施設の整備に時間を費やした2年間でしたが、これからは学生や関わる人が「知的自由とやる気」になるような環境を提供できればと思っています。


2013年4月1日月曜日

考える力、やり抜く力

 2013年4月1日、専修大学3年目のスタート。
中村修二著「考える力 やり抜く力 私の方法」、こだわりを持って進みたいと思います。


2013年3月19日火曜日

競技スポーツにおける体力測定


先日、専修大学少年少女レスリング教室の体力測定
をする機会がありました。レスリングの専門的体力測定は、
昨年夏の測定値と比べて大きく向上していることが分かりました。
これも、日々真剣に取り組んでいる選手、指導者の成果なのだと思います。

体力測定は、競技スポーツ、学校体育、大学生、高齢者など様々な
視点から行われています。同じ体力要素を測定評価してもデータの解釈や意義は、
その目的するパフォーマンスや対象者によって異なります。

また、測定データは、選手個人だけのもではなく、コーチの指導法を客観的な視点から
みれる側面もあります。トレーニング方法、成長過程、適時性、スタイル特性(フリー、グレコ)、専門的体力、基礎的体力、性差、そして、競技成績との関連、ひとつのデータですべてを説明することは出来ませんが、色々な見方をすることは新しい発見にもつながる可能性があります。

科学が果たす役割は、得られたデータに対して、どのように解釈(考察)し、
今後の方向性をデータに基づいて示唆できるかが求められるのかもしれません。

そのためには、現場が何を求めているかを感じることが求められますし、
フィードバックとは何かについて考えさせられます。


2013年3月1日金曜日

韓国研修、講習会、スキー実習×2

今日から3月、1−2月は色々な活動を通して学びました。
スポーツには色々な側面(研究、サポート、教育、教養)があることを改めて感じます。


韓国研修・KISS
      Team YAMAGATA 2013(山形県高体連選手強化講習会)  
スキー菅平実習、スキー北海道実習

2013年2月24日日曜日

骨格筋を研究する意味とは?


ある論文の中で、骨格筋研究の方向性について述べられていました。

「This field of study is no longer confined to muscle physiology and sport sciences but is becoming central in clinical medicine and is likely to expand in the near future, since muscle activity has a benefical effect in the prevention of many chronic disease, and a better understanding of the mechanism of activity -dependent muscle changes may help to identify potential therapeutic targets」

(Stefan Schiaffino et al., Physiology. 22:269-278,2007)


2013年1月17日木曜日

意志力の科学

2013年1月、また新たな年の始まり。東京では大雪で、肌寒い日が続いています。
「スタンフォードの自分を変える教室」ケリー・マクゴニカル著では、意志力を科学することをテーマにした授業を展開しています。研究データを引用しながら、自己コントロールを高めるための方策について述べられています。この本が売れている背景には、それだけ、自分の意志力の弱さを感じている人が、それを変えたい人たちが世の中に多くいることを意味しているのかもしれません。肥満、運動不足、勉強不足、色々と意志力の弱さは現代の社会問題と密接に関係しているように感じます。情報や環境が多様化している中では、より昔以上に自己コントロール力が重要になると感じます。

「やる力」
「やらない力」
「望む力」

自己コントロールにはこの3つの力が重要であり、その場面場面でどう対応してけるかがポイントになります。科学的視点と実際のエクササイズ(実践)、意志力を高めるためのアプローチとして面白い試みだと思います。