2012年12月22日土曜日

刺激

今日で大学の授業も終了し、今年もあと僅かになりました。
今日はポスドク時代のボスと同僚と食事し、大きな刺激を受けました。
これまでは研究環境のセットアップにその時間を費やした2年間でしたが、
本当の勝負はこれからです。
授業を通してまだまだ自分の未熟さを感じていますが、
と同時に自分のやるべきことは何なのかを考える年でもありました。

世界をめざそう、いつのまにかそんな志しも忘れかけていましたが、
要は自分の気持ち一つなのかもしれません。

そう考えてみると、スポーツ分野限らず、どの先生にも
その分野への覚悟が感じられます。

もっともっと色々なことを学ばなければなりませんし、
そういう刺激をもらえる場があることに感謝する時でありました。



2012年12月18日火曜日

PGC-1αと筋肥大

 Cell誌にPGC-1αと筋肥大に関する論文がありました。
筋トレだけでなく、サルコペニアや筋傷害の予防など色々な可能性がありそうです。
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下記、世界の最新健康・栄養ニュース~ニュースレターより引用。
レジスタンストレーニングの後の筋組織の成長と筋力強化を促すたんぱく質が発見されたという研究。人工的にこのたんぱく質濃度を増加させることによって、 例えば入院患者などに見られる長期間の不活動による筋損失を予防したり、アンチエイジングに有効性が見られるようになる可能性がある。ボストンのデイナ・ ファーバーがん研究所のマウス研究。
筋力増強を促し筋損失を予防するたんぱく質として発見されたのは、PGC-1α4と呼ばれるたんぱく質である。レジスタンス運動によって筋中のこのPCG-1α4たんぱく質濃度は増加し、筋力増強などの引き金となるようだ。

こ のたんぱく質のアイソフォームであるPCG-1αが、身体の中での代謝の調整機構に関わっていて、筋量の増大ではなく筋持久力を増進させるような働きを 持っていることも分かっている。これらの2つのたんぱく質が1つの遺伝子によって産み出され、調整されていることが研究者らによって報告されているのだ。

が んに関連した筋損失に対してもこのたんぱく質を増加させることで対応出来る可能性があり、通常のがんモデルマウスで29%の筋損失が見られたにもかかわら ず、PCG-1α4を投与されたがんモデルマウスでは10%の筋損失しか見られなかった。今後のヒトにおける臨床的応用が期待される発見である。
http://www.cell.com/abstract/S0092-8674%2812%2901363-3

2012年11月30日金曜日

基礎研究の現場

もう今年もあと1ヶ月となりましたが、研究環境が少しづつですが整ってきました。
これも多くの先生方や科学研究補助金のサポートがあってのことだと改めて感じます。
また、こういった基礎研究の内容を授業等で伝えるのはまだまだ不十分だと身にしみて感じていますが、今はこの環境を活かしていくことが重要だと思っています。

先日、久しぶりにホルモン測定を行いました。実験台に向かってピペットを握る感覚を忘れかけていましたが、、、無事に測定することが出来ました。生化学の実験は色々な行程があり、一日中実験室にこもって作業することも多々あります。スポーツにおいても、朝から晩まで選手や指導者がそのスポーツ現場でトレーニングをしていますが、大きな意味ではこの実験室での実験もトレーニングと同じ様に感じます。

これからは、この研究環境を通して研究成果を発信していくことと同時に、人や組織との交流をしていくことが自分にとっても組織にとっても重要だと思います。




2012年11月17日土曜日

人間の直感とサイエンス

11月も中盤なり、前回の更新から少し時間が経ってしまいました。

この間、第5回社会体育研究所公開シンポジウム2012ースポーツレガシーシリーズ Vol.5 「スポーツの力を考える~スポーツを通じた社会開発~」が開かれ、レスリング五輪メダリスト、政治家、社会学者、大学教員、指導者、学生と様々な立場の人が「スポーツ」をキーワードにディスカッションする機会があったことはとても重要な意味をもつ場であったと思います。一方、第23回日本臨床スポーツ医学会学術集会に参加し、そこでは、医者、理学療法士、トレーナー、スポーツ科学者、などここにも様々な立場の人とスポーツ医学をキーワドにした情報を共有する場がありました。

小宮山宏著「課題先進国」日本の中で、「サイエンスの細分化は、サイエンスがサイエンスである限り不可避なことである。だから、それを逆に統合化しないと、サイエンスが人間の直感とか人間にとっての価値と離れてしまう」と述べられています。

トップアスリートの言葉を聞いて、その意味やその感覚を感じることは、基礎研究をする者にとっては一見真逆の立ち位置にいるように感じますが、シンポジウムや学会を通して様々な立場の人の声を聞くことは研究の方向性を決める上で重要な視点であると改めて感じます。

2012年10月13日土曜日

3つの価値

毎年、ノーベル賞の発表には大きな刺激を受けます。
新しい物質の発見、新しい方法、新しい考え方(理論)、など新規性かつ人類に大きな貢献をしたものが受賞できるのだと感じます。

東京大学元総長の小宮山宏著「課題先進国」日本の中で、3つの価値について述べられています。

「知的価値」
「公共的価値」
「経済的価値」

また、研究が細分化されて行く中で、学術俯瞰という視点で、研究のつながり性について示しています。今回、受賞した iPS細胞の研究においても、細胞の初期化という知的価値、そして、再生医療という公共的価値、再生医療分野の経済的価値、とみることが出来ます。なかなかこういった研究成果は凡人には難しいですが、3つの価値について考えることは、研究の大小に限らず今後の研究を行う上で重要な視点となるかもしれません。

2012年10月4日木曜日

やる気を整理する


10月に入り、大学の授業も始まりました。
学生限らず、教員もまた忙しい日々の始まりです。

自分の経験から、大学時代はある意味、社会へ出る前に自分を模索できる時間だったかも知れません。現実と向き合いながら色々な可能性と出会う場でもあります。

アメリカの心理学者マズローは、自己実現理論を提唱し、欲求段階説を示しました。
  1. 生理的欲求(Physiological needs)
  2. 安全の欲求(Safety needs)
  3. 所属と愛の欲求(Social needs / Love and belonging)
  4. 承認(尊重)の欲求(Esteem)
  5. 自己実現の欲求(Self-actualization)
人の欲求段階はそれぞれあると思いますが、自己実現の欲求を得るためには、それと同じくらいの努力や学びが必要なのかもしれません。スポーツも研究も教育も場は違うかもしれませんが、最終的に求めるものは同じところにあると感じます。




2012年9月18日火曜日

学会(日本体力医学会大会)

9月14日から16日の3日間、岐阜で行われた日本体力医学会に参加してきました。

2年振りの学会参加、多くの刺激を受けました。また、シンポジウム『身体運動によるヘルスベネフィットのメカニズムを探る』では、シンポジストの一人として発表させて頂きました。遺伝子改変動物を用いて筋萎縮を評価した研究や可視的機能評価を用いて生体機能を把握するアプローチなど、色々な実験手法で身体運動の効果のメカニズムについて検討されています。

シンポジウムを通して、それぞれの研究手法は異なりますが、相互的な視点でみることの必要性を先生方の発表を聞いてつよく感じました。他分野の研究の話しを聞いたり、観たりするということは、研究だけではなく、色々な場面で重要なことをかもしれません。研究発表内容も高度化、専門化する中で、深く自分のテーマと向き合い、進めて行かなければなりませんが、学会という場所はその視点を変えてくれる場なのかもしれません。

2012年9月7日金曜日

一歩一歩

故郷。宮城県岩沼市海岸沿い。



2012年9月5日水曜日

学会発表と授業

9月に入りましたが、蒸し暑い日が続いています。
今週は、大学の休みということもあり、後期授業と学会シンポジウムのスライド作成の準備におわれています。

スライド作成をする中で感じたことは、同じテーマでも、伝えたい相手が異なる学会と授業では構成が全く異なる様に思えました。8月には、山形のタレント発掘事業の一環で、子ども達を対象にスポーツ科学の講義も行いましたが、ここでも、子ども達へ伝えるスライド構成の導入、展開、結語へのストーリーも対象者に応じて考えなければならないことを改めて感じました。

学会発表のスライドをそのまま授業で使用しても、伝えたい学生には何も伝わりませんし、とくにスポーツ科学を専門としない対象者にどう分かりやすく伝えるか、非常に難しいことですが、一方でとてもやりがいのあることだと思っています。イギリスの動物行動学者リチャード・ドーキンスの著「利己的な遺伝子」では、分子生物学的な用語をあまり使用せずに分かりやすく、一般者向けに執筆されており、専門化と一般化の両方の視点が重要なのかもしれません。



学会ではより新しい知見を発表し、知的好奇心をかき立てるようなプレゼンが求められますし、専門家としての厳しい質問も飛び交います。トップアスリートの活躍が生涯スポーツへ大きな影響を与えると同様に、スポーツ科学研究をする立場としても、創造性のある研究を国内外に発表しつづけ、ディスカッションしていくことが求められます。このことは、結果として運動を専門としない人たちへの刺激としてフィードバックされると思いますし、「研究」はその対象となる研究分野が成熟し、一般化していくために重要な役割を担っているのかもしれません。









2012年8月12日日曜日

ロンドンオリンピック

ロンドンオリンピック最終日、レスリング男子で24年ぶりの金メダルを獲得しました。
選手同様にコーチ、スタッフの方々の力があっての成果と思いますし、このオリンピックにかける先生方のこれまでの取り組みやその熱意・情熱をみてきて、本当によかったという思いです。おめでとうございます。

今回のオリンピックは、何十年ぶりのメダル獲得といった種目が多いように思えます。
この背景には、強化、医科学サポート、国策等の色々な取り組みの成果なのかもしれません。一方で多様な種目が成果を出していくということは、日本のスポーツ文化が成熟していく中で大きな意味をもつ大会になったと思います。

女子レスリングが金メダルを獲得した日、大学の少年少女レスリング教室において、ジュニアレスラーの体力測定を行いました。情熱あるコーチのもと、10歳前後の子供たちはレスリングマットの上で一生懸命に体力測定を行っていました。トップスポーツが活躍するということは、子供たちにとっては大きな目標になりますし、この循環が次の新たなスポーツ文化を作っていくのだと思います。

純粋に、スポーツには大きな力があるのかもしれません。


2012年5月23日水曜日

研究費の獲得と運用

5月も後半になりました。前回の投稿から少し時間が経っています。
4月に応募していた科学研究補助金の採択通知を頂きました。投資の意味を持つ科学研究補助金、限られた予算の中で面白い成果を出せるように進めていきたいと思います。

新たな環境下での研究費獲得には、多くの先生方や事務方のご協力がありました。研究費申請は大学評価の指標としても利用されており、全国の大学で研究費申請を積極的に行っています。おそらく、科学研究補助金は個人の研究テーマと同様に組織体としてのサポートの両輪体制で取り組んでいくことが今後さらに重要性が増すと感じています。また現在の申請は、研究倫理や研究体制など明確かつ具体的に記入する必要があります。その意味でも、研究所の倫理委員会の設置など研究所のサポートはとても大きな力となりました。

しかし、、、研究費を獲得しても実は、スタートラインに立っただけなのです。獲得した研究費をいかに上手に「運用」していくかが求められます。

京セラ名誉会長の稲森和夫氏の著書「実学ー経営と会計」の中で、「売り上げ最大に、経費最小に」が経営の原点であると述べています。研究分野に視点を変えてみると、限られた研究費の枠内で行うことから、「最小の投資で最大の研究成果を出す」ことこそが、研究費を運用する上で重要なことかもしれません。また、アメーバー経営として知られる共同経営体としての体制を運用するには、「経営哲学」が重要であると述べられています。

組織がもつ哲学は様々だと思いますが、どの組織体も理念やその存在意義を共通理解しているところはうまくその組織が「運用」されているのかもしれません。

研究環境を整え、少しずつ進めて行きたいと思います。





2012年4月21日土曜日

シンポジウム:スポーツを通して考える大学の役割

2012年4月21日(土)、日本体育大学スポーツカンファレンス「スポーツを通して考える大学の役割」についてのシンポジウムがありました。スポーツ基本法の改訂を受けて、これからの日本のスポーツの方向性を考えることができた良い機会でした。また、大学とは何か?大学にとって体育やスポーツ、部活はどのような価値や意義があるのか?その発信も含めて、改めて考え続けなければならないと思いました。

大学とは何かと言う質問に、馳先生の答えは「図書館」であるとの答えが大変面白かったです。自分にとっても図書館はとても好きな場所で、大学院浪人中は、一日中、図書館で勉強していましたし、今になっても研究で集中したい時には図書館に足を運びます。図書館には様々な情報が眠っていますし、調べ、考えることができる最高の場所です。またその答えには、大学とは自ら考え、創造することが出来る場のことを意味しているのだと感じました。基本法に書いてある新しいスポーツ文化の創出、を生み出す場として「大学」は重要な役割を果たすかもしれません。

2012年4月17日火曜日

ゼミスタート

授業がスタートし、授業だけでなく色々な事が慌ただしく進んでいきます。
今年からゼミがスタートしました。今ある環境(人、環境、施設、ネットワーク)を活かして進んでいければと思います。

研究員時代、ラボノートは研究をする上で非常に役に立ちました。研究データだけでなく、仮説やデータの解釈など、ノートに記録することは研究を進める上でとても大切なことです。まだ白紙のノートですが、理論的思考を養うためのノートとして活用していきたいと思っています。

2012年4月6日金曜日

2012新学期

2012年4月5日に入学式がありました。
今日(6日)は、学科オリエンテーションや歓迎会などがあり、キャンパスは学生でにぎやかになっています。『大学』は、中世ヨーロッパで学生が回廊のあたりに腰を下ろして教師の話しを聞いたことから大学は始まったという説があります。学生と教師があればそれが大学だったのです。大学で何を学ぶのか?その答えは4年後に出るのかもしれません。そのためにも教員として学び続けなければならないと感じる日でありました。

 

2012年3月31日土曜日

競技スポーツと生涯スポーツ

3月31日、明日からまた新たな年度が始まります。

専修大学に着任して1年、新たな環境で多くのことを学びました。
先日、専修大学少年少女レスリング教室の子ども・保護者を対象にスポーツ科学の講義を行いました(http://www.senshu-u.ac.jp/~off1014/)。初めての試みで伝えることの難しさを実感しましたが、現場に立っていない自分が貢献できる場所を少し見つけることが出来ました。コーチングスタッフは仕事を抱えながら、毎週、子ども達に熱心に指導しています。コーチとの会話の中で、「子ども達に教えていて学ぶことがあるし、教えていて楽しい」と言っている姿がとても印象的でした。子どもだけではなく指導者もスポーツ(レスリング)を通して学んでいるのだと感じました。

一方、自分の回りには、オリンピック金メダル獲得を目指し、レスリングの強化にほとんどの時間を費やして指導されている先生方がおり、トップスポーツに携わることの大変さを感じることが出来ます。ここには、レスリングという一つの競技を通して、競技スポーツと生涯スポーツの両方を実践されている指導者がいるのです。そういった意味でも、トップスポーツの強化というのは、生涯スポーツに大きな影響を与えるのかもしれませんし、そのことを実践している指導者の方々と接することは大きな刺激を受けます。

2012年3月23日金曜日

終わりは始まり

3月ももうすぐ終わり、4月から新たな大学生活が始まります。
3月は歓送迎会や卒業式と色々な行事があります。大学に限らず新たな環境に身を置く事は大変なことも多いと思いますが、人間的成長を得る「チャンス」なのかもしれません。

「チャンス」について、フェラン・ソリアーノ著「ゴールは偶然の産物ではない」の中で、コロンブスの話しを例にとり述べられています。

コロンブスは、香辛料を運ぶ航路として新しいルートはないかと考えていました。インド諸国に到達するための新たなルートを探して旅に出ましたが、その時、新大陸アメリカにたどり着きました。コロンブスはその後、莫大な富をえます。この話しの中から、「ある一つのことを探しているときに別のものを発見することがある。コロンブスは、インド諸国に向かっているときにアメリカ大陸を発見した。最初の考えや目的に固執するあまり、他の可能性を発見するチャンスを逃していはいけない」と述べています。

社会や色々な組織が大きく変化する日々の中で、 チャンスを活かすためには、常に考え続けなければならないと思います。



2012年3月12日月曜日

女性の危険を察知する能力は黄体期に高いの?

女性スポーツにおていも女性の月経周期はパフォーマンスやコンディショニングの点から研究が進められています.今回のレポートは,予備的段階のようですが,黄体期にヘビの画像を見つけ出す能力が高いとのことでした.女性アスリートでは月経前の黄体期は自覚的なコンディションが悪いとする報告がみられますが,注意力などを必要とする競技では良い時期として考えることもできるかも知れません...色々な視点や立場からの研究がこれからより必要になってくると思います.

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【神経科学】ヘビの画像を見つけ出す能力は月経周期中に変動する
Neuroscience: Snake detection may vary across the menstrual cycle

Scientific Reports, 2012年03月09日

女性は、月経周期の後半になると、ヘビやその他危険をもたらすおそれのある刺激を素早く見つけ出せるかもしれないことが予備的な研究に明らかになった。ただし、この予備的研究では、被験者が月経周期のどの位置にあるのかを血液検査で確認していないため、今回報告された行動上の影響がホルモン濃度と相関しているかどうかを確認するにはさらなる研究が必要となる。この研究成果を報告する論文が、Scientific Reportsに掲載される。 成人は、ヘビの画像を目標物として見つけ出す速度が花の画像の場合より速くなる傾向がある。そして、女性の場合には、気分、認知能や社会的行動が、月経周期の各期で変化するという学説があることから、正高信男(まさたか・のぶお)たちは、こうした変化が、ヘビの画像を見つけ出す作業における女性被験者の成績に影響するかどうかを調べた。月経周期の3期のいずれかにある健康な閉経前の成人女性(合計60人)を被験者とし、1つのヘビの画像と8つの花の画像を並べたマトリクスと8つのヘビの画像と1つの花の画像を並べたマトリクスを見せて、できるだけ早く目標物の画像を見つけ出すテストを行った。 その結果、最も速く目標物を見つけ出したのは、月経周期の黄体期の女性だった。黄体期には、エストラジオールとプロゲステロンの濃度が高い。正高たちは、今回得られた結果の原因として、健康な女性の月経周期に生じるホルモンの変化を挙げているが、これらの結果を検証するためには、客観的なホルモンデータに基づく研究をさらに行う必要があると思われる。(http://www.natureasia.com/japan/highlights/details.php?id=1710より引用)

2012年3月5日月曜日

研究を発表するということ

3月5日,朝から強い雨が降り続いています.
先日,日本体育大学運動生理学研究室にて研究発表してきました.
このような機会を与えて頂いた先生,学生さんに感謝しておりますし,今後,リニューアルされた校舎で面白い研究が発表されることを楽しみにしています.


勉強会や学会での研究発表はいつになっても緊張感があります.大学院で初めて勉強会の発表をした時は,多くの時間をかけて準備し緊張しながら発表したことを思い出します.その一方この緊張感は消えることなく,今もなお保ち続けています.


スライドや発表のスキルは少なからず向上しても,本質的に人前でプレゼンする緊張感はこの先も変わらないのかもしれません. それは,データに対して教員学生等の身分を問わず,すべての人が疑問に感じたことを自由に発言・共有できる場なのからだと思います.発表データはその時点で共有化され,多くの示唆を受けることができます.この様な刺激を色々な環境で受けることが必要だと感じています.
自分のデータや考えに対して常に疑問を持ちながら取り組んで行くことはとても大事なことですし,その場の一つが勉強会やセミナーなのかもしれません.

2012年2月27日月曜日

テストステロンが高いとモテるの?

Nature Communications, 2012年02月22日に以下の論文が発表されました.
アンドロゲンと骨格筋の関係について研究してきましたが,免疫系や魅力にも関与している様です.一つのエビデンスですが,運動はアンドロゲンを高めることから,人気アスリートの魅力を紐解く 鍵になるかもしれません..

『女性は強くたくましく健康な男性を好む 』
And finally…Women prefer healthy hunks

性ホルモンのテストステロン、顔の魅力、ストレスホルモンのコルチゾールの関係について報告する論文が、今週、Nature Communicationsに 掲載される。この新知見は、女性が、テストステロンの濃度の高い男性に強い魅力を感じるのは、こうした男性の免疫系の健康度が高いからなのかもしれないこ とを示唆している。 男性の顔の性徴はテストステロンに依存しているが、テストステロンが免疫機能に及ぼす影響については解明されていない。今回、F Mooreたちは、20歳代前半のラトビア人男性74名について、肝炎ワクチンに対する免疫応答を測定し、テストステロンとコルチゾールの血中濃度を調べ た。次に、Mooreたちは、同年代のラトビア人女性に、顔の魅力を基準として、上記の男性のランク付けを行わせた。その結果、強い免疫応答を有する男性 は、血中テストステロン濃度が高く、魅力が高いと考えられていることが判明した。一方、テストステロンの濃度の低い男性は、コルチゾールの血中濃度が高い 傾向が見られたが、このことは、この男性の免疫応答がコルチゾールによって阻害されている可能性を示唆している。 こうした行動はこれまでに鳥類で観察されているが、Mooreたちは、女性がその子孫に遺伝性の免疫能力を望んでいるという事実によって、この行動を説明 しうると考えている。ただし、Mooreたちは、女性の顔の好みは、社会的要因のために国によって異なる可能性のあるという注意点も指摘している。(http://www.natureasia.com/japan/highlights/details.php?id=1676より引用)

2012年2月6日月曜日

知行合一

2012年も早くも1月が過ぎました。
2月は日本中で大寒波で例年より肌寒い日が続いています。
2012年1月は、研修会やスキー実習など色々と経験する機会がありました。

大学スキー研究会のスキー研修では、数十年振りのスキーの研修を通して、大学体育教員として必要な実技を体得しなければならないと、改めて感じました。その後、専修大学社会体育研究所の研修会にて、立命館大学を訪れました。充実した研究環境で教育・研究活動が行われていることを肌で感じ、これからの研究成果の発信がとても楽しみです。

また、前嶋先生の最終講義もありました。前嶋先生のご発表は何回聞いても勉強になります。スケートの指導者と科学者の両視点で取り組んでこられた内容は、実技と研究それぞれの 方向性を融合させてくれます。

これまでの経験を通して、『知行合一』という言葉を思い出しました。中国の明の時代に王陽明が唱えた需学の思想で知(知識)と行(行動)は合一(合致)していなければならないと言う考えです。おそらく今はこの言葉を体現していないのかもしれません。研究知や現場での経験知を合わせて実行してくことが重要ですし、個人として、組織として、考えていかなければならないと思います。また、研究環境や研究費あっての研究ではなく、自分自信の的確なビジョンや志が先になければならないことを再認識した1月でした。